利用例

北海道大学

利用例1 プロテイングルタミナーゼの立体構造解析

プロテイングルタミナーゼ(PG)は、タンパク質中のグルタミンのアミド基を脱アミドする反応を触媒する酵素であり、 タンパク質を含む食品の食感を向上させる効果が期待されています。本学800MHz NMR装置を用いて、微生物由来PGの立体構造を決定しました。 その結果、酸性アミノ酸クラスターによって形成される深い溝に活性中心のシステインが位置しており、基質であるグルタミンが結合しやすい立体構造を形成していることがわかりました。
参考文献 Kumeta et al., J. Biomol. NMR 46, 251 (2010).

利用例2 不凍タンパク質の立体構造解析

プロテイングルタミナーゼ(PG)は、タンパク質中のグルタミンのアミド基を脱アミドする反応を触媒す

低温環境に適応した生物は、体内で不凍タンパク質(AFP)を生産して、体液の凍結を防止しています。AFPは氷の表面に結合することにより、氷結晶の成長を妨げることができます。 本学800MHz NMR装置を用いて、北海道東部沿岸に棲むゲンゲ科の魚、ナガガジ由来のAFPおよびそのアミノ酸変異体の立体構造を決定しました。 その結果、タンパク質表面に結合した水分子とタンパク質を構成する特定のアミノ酸との間の水素結合が、AFPの活性の強さに影響していることがわかりました。

参考文献 Kumeta et al., J. Biomol. NMR 55, 225 (2013).

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