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利用事例

両性高分子電解質水溶液の低温時の挙動解析2014-04-01

株式会社バイオベルデ

利用機関:理化学研究所


細胞の凍結保存はライフサイエンスの基本技術でありながら、凍害保護剤の保護メカニズムに関しては分子レベルでの理解は十分とはいえない。
細胞に対し高い安全性と優れた凍害保護作用を持つ新規両性高分子性凍害保存剤は、これまでに使われてきたDMSO等の細胞膜浸透性の凍害保護剤とは全く異なった保護機序を持つと予想された。
機序解明のため、凍結条件下での溶媒や塩、凍害保護剤の動的挙動を固体NMRで観測し、そのメカニズムに関して実験データと矛盾のない仮説を立てることに成功した。
今後は、さらに機能性の高い凍結保護剤、特に、再生医療用途の細胞や組織向けの開発が期待できる。

写真:新規両性高分子を含むiPS細胞等の幹細胞用凍結保存液

写真:新規両性高分子を含むiPS細胞等の幹細胞用凍結保存液

象牙有機質と歯科有用素材における相互作用の動的解析2014-04-01

サンスター株式会社

利用機関:理化学研究所


“高齢になっても自分の歯でおいしい食事ができること“は、世界一の高齢社会となった我が国において生活の質向上に重要な課題である。本課題では、高齢者に顕著な歯肉縮退により露出した歯の根本の虫歯(根面う蝕)を予防する可能性が報告されている天然物由来フラボノイドの作用機構の解明を目的として、歯の根本の主要成分であるコラーゲンとフラボノイドの相互作用を、動的な相互作用解析に適したNMR法を用いて解析した。
その結果コラーゲンとフラボノイドの特異的相互作用が観測され、フラボノイドが歯根面をバリアするように
保護している可能性が示唆された。
根面う蝕予防法の確立や商品開発が進めば、将来の歯科医療保険の抑制につながり、成熟化したオーラルケア関連商品市場の再拡大も期待される。

図:フラボノイドの根面う蝕予防効果のイメージ

図:フラボノイドの根面う蝕予防効果のイメージ

相互作用解析とその応用2014-03-24

味の素株式会社

利用機関:横浜市立大学


ヘパリンは血液透析時の血液凝固の防止や血栓塞栓症の治療等、種々のケースにて抗凝血剤として使用される医療現場に必須の医薬品ですが、2008年頃、ヘパリンに混入した不純物(過硫酸化されたコンドロイチン硫酸)によるアナフィラキシー様症状が米国で多数報告されました。
その際、わが国では、本学保有の各種NMR装置の利用によって、この不純物のシグナルと同じ位置に観測されるシグナルが、不純物でなくヘパリン由来であることが確認できました。
その結果の研究速報に基づく関係方面の努力により安定供給が確保されるとともに、このような純度検定に対するNMR装置の有効性が確認されました。
また、共同検定の結果、日本薬局方にヘパリンのNMR試験法が収載されました。
(参考)YAKUGAKU ZASSHI 速報 128(10) 1513―1515 (2008)
「ヘパリン不純物のNMR分析法」: 山口秀幸、品川麻衣、榛葉信久、宮野博、鈴木榮一郎

図:様々な共鳴周波数のNMR装置で測定したヘパリンのアセチル基由来の1Hシグナル 

図:様々な共鳴周波数のNMR装置で測定したヘパリンのアセチル基由来の1Hシグナル

農作物からの機能性成分探索2014-03-24

森永製菓株式会社

利用機関:横浜市立大学


様々な農作物に着目し、農作物の抽出物について各種生理活性試験に基づいた機能性成分の精製を行い、NMRを用いて1D-1H、1D-13C、2D-HMBC、2D-HSQCなどの測定により構造決定を行うことで有益な機能性有機化合物を見出すことを目指しました。
その結果、パッションフルーツの種から強力な血管弛緩性物質であるスキルプシンB(ピセタノール二量体)を抽出し、NMRを用いて同定することに成功しました。
このピセタノールとスキルプシンBは血管弛緩性効果が強いことから、循環器疾患(CVDs)に対して効果があると期待されます。
(参考) J Agric. Food. Chem., 59(11):6209-13 (2011).

図:スチルベン誘導体の化学構造(a)ピセタノール;(b)スキルプシンB(ピセタノール二量体);(c)レスベラトロール

図:スチルベン誘導体の化学構造(a)ピセタノール;(b)スキルプシンB(ピセタノール二量体);(c)レスベラトロール

周波数可変ジャイロトロンの高磁場DNP2014-03-24

株式会社ジャイロテック

利用機関:大阪大学


これまでジャイロトロンは周波数固定型であったため、DNP条件を最適化するには、高分解能NMRマグネットの磁場を掃引しなければなりませんでした。
そこで実験を容易にするため、高出力サブミリ波の周波数を連続可変できるジャイロトロンを試作することとしました。
その結果、DNPの最適化を短時間で容易に実施することが可能となり、また、磁場掃引に必要な大量の液体ヘリウムやNMRプローブの再チューニングが不要となりました。

写真:連続周波数可変ジャイロトロン

写真:連続周波数可変ジャイロトロン

オリゴヌクレオチドの構造解析2014-03-23

株式会社ジーンデザイン

利用機関:大阪大学


核酸医薬品の製造に用いる原料モノマーや製造したオリゴヌクレオチドのNMRス
ペクトルを測定し、それらが品質保証に有用かどうかを検討しました。
その結果、
①合成に影響のある5価のリンを含む不純物の有無が検出可能で、モノマーの受け入れ試験に有用である
②天然型のリン酸ジエステル結合と、ホスホロチオエート結合の比率を簡便に見積もることが出来るため、オリゴヌクレオチドの品質管理に有用である
③類似配列をもつ核酸二本鎖の解離温度を比較することにより、立体構造の差異に関する知見が得られる
ことがわかりました。

図:合成原料の31P NMRスペクトル

図:合成原料の31P NMRスペクトル

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